ある時ある人が放った言葉の話

今日、お昼過ぎ
ある人が言った。
「これパパが~…」と
なんの事はない。ただそれだけ
それがわたしの胸に何かを残している

ふと
帰る場所は在れど
帰る居場所は無いと、そう感じた
知ってしまったのだろう
帰る居場所がある幸せに。

ゆるやかに終わりに向かって歩き続ける
そんな日々の中のひとコマ。

今の話

どうしようか

せっかく手に入れた自由
Aへ進むべきか
B以降の道を探すべきか
それとも停滞すべきか

私にはわからないが

大きな分かれ道の前に立っている事だけは確かだ

博打うちではないので
ここ一番の大勝負は避けたいが
避けたところで残るのは
悔いと動かない時計の針だけだろう

川に流れがあるように
月に満ち欠けがあるように

光は我らと共に在る

一生の話

真実の愛の代わりに自由を手に入れた
まったく 手に入れたいものほど手に入らない
昔は逆だったのに

いつからだろう

まあ、いいや
失ったものと同じ大きさの
手に入れたものを最大限に活かすだけだ

また 逆になるその時まで

もうひとつ
私に存在するあの人の目
迷う事なく、未来を見つめる為の目
同時に逃がす事無く見つめ続ける目

今は、少しばかりのセンチメンタリズムを秘めて
見つめるべきものを見つめている

安い愛の話

自分の気持ちを優先して
周り迷惑をかけ
結局別れる

そういう恋を続ける人は
本当に本気で恋をした事が無いのではないかと、そう考えてしまう

安く軽い
口や指から発せられる愛も名ばかりのようで
守ると誓った2週間後には側にいない

安く軽いものである

守り抜こう
昔のわたしがそうであったように

わたしの心臓は今も脈打ち
生きている

大事な話

大事なこと忘れてる気がする事を思い出す
大事なことは忘れてる気がするけど
大事なことを忘れてる気がする事は覚えてる
なのに
その大事な事だけが私には思い出せない
きっといつまでも思い出す事はできない
そんな気がする

辛さの話

いちばん辛いのは自分じゃない
世界でいちばん辛い人を前にして
自分だって辛いなんて言えないじゃないか
自分だって辛いなんて自分勝手じゃないか

本当は差なんてない
大きさに違いはあれど
辛い事に変わりはない
でも
やっぱり自分よりずっと辛い人を前に
そんな事は言えない

きっとあの人は
自分の方が辛いと言わずに
辛かったねと拒むことなく受け入れてくれただろう
あの頃
自分に勇気があれば何か変わったかもしれない、と。