2021.11.13

思えば遠く来た

 

 

現存する最古の記憶から21年

恋というものに初めて触れてから15年

経験を得る事の重要さを感じてから9年

それから色々あって

 

本当に色んなことがあった

あの頃はどうしようもなくエネルギーに満ちていた。希望や使命感で溢れていた

そして

等しい量の絶望や無力感で満ちていた

 

生きることと死ぬことの狭間に触れた

8年前、たった8年前のこと。

 

人の暖かさに触れた

ほんとうに嬉しかった

涙が止まらなかった

その人が長くは生きられないと知った

あの嬉しかった気持ちのぶんだけ

涙が止まらなくなった

 

時が経つのが加速している

きっとこのまま

世界は回るのだろうと思うと

 

ひとり取り残されたような気持ちは

 

まだ、拭いきれない

ヒトとして大切なことを教わり、いくらかの季節が流れた。

 

今度はわたしが入院している。

幸い軽症だが、どうも逆だったころを思い出す。

あの頃彼女は、今の自分よりずっと辛く苦しい気持ちで一杯だったろう。

 

まだあの子の傷が残っているようだ

わたしがあの子に残した傷は、この世にひとつも残っていないと思う

 

日々の中で気がつけば

〝彼女〟の輪郭がぼやけてしまっていた

愛していた、のに。

 

幸せだったのに

守りたいと心から思ったのに

 

もう

思い出せない

無題

1年が経った

隣に居なくなって4年と10ヶ月と少し

この世に居なくなって1年と少し

知った事は

時間は何でも薄れさせるということと

人間薄情な生き物だということ

今はまだ忘れることはないだろうけど

今はもう思い出になった

いつか忘れる日が来たら

 

本当にさよなら

 

いつかどこかで

すれ違えたらいいね

なあ、形だけの幼馴染。

no title

また

 

同じ感覚に襲われる

 

それはある法則に則った鼓膜の振動により

 

疲れた

 

あの感覚に

 

もう永遠に存在しない瞬間が頭を駆け抜ける感覚に

 

どんなに楽しい状況に於いても

幸せな状況に於いても

 

あの瞬間は帰ってこない

わかっている

 

あの子の事よりよっぽど頭によぎるのは

私が結局そういう人間だからだろう

 

時間が

止まったままの時間が

 

進まない

どうすれば動くのだろう

 

ふたつわかるのは

自分の力だけではどうしても動かない事

動かせるだけの心の域に他人を入れるのを避けている事

 

なんだか先行きの見えない話である

 

それでも私は、結果を欲しがる

 

どこを向いて歩けばいいのかすら

 

わからないくせに

2006年7月24日

小学生最後の夏休み

従兄弟と映画を一緒に観ようと約束し

珍しく夏休みの宿題を早めに片付け始めたこの夏の7月24日

初めてある病院に行った

一瞬にして永遠の、たった6ヶ月の物語のはじまりである

 

従兄弟との映画の約束は果たせなかったが

そこで過ごした180日は、わたしの心に色々なものを焼き付けた

 

今よりいくらか幼かったわたしは好きだった

あの場所が、みんなが、あの人が。

 

3600以上もの日が流れ

色々なものが変わり、あの頃のような輝きはわたしの目に宿ってはいないが

それでも、この心臓が止まるまでは

 

覚えていよう